鷺と雪

『街の灯』『玻璃の天』に続く、<ベッキーさん>シリーズ3作目。学習院に通う令嬢・花村英子とその運転手・別宮みつ子(ベッキーさん)が活躍するシリーズ。オムニバス式の連作短編集で、本書には「不在の父」「獅子と地下鉄」「鷺と雪」を収録。
読み終わって調べてみるまで、シリーズものと知らなかった。読みやすい文章でスルスルとあっという間に読み終わる、後に残らないあっさりした本だった。一貫して英子の視点で描かれていて「学習院に通うお嬢さま」の視点という所と、歴史ものとしてのおもしろさが印象に残った。昔の上野や銀座を訪ねる気分で、事件の謎解きをしているみたい。