カルパチアの城

内容(「BOOK」データベースより)
吸血鬼伝承の残るトランシルヴァニアのカルパチア山中、無人のはずのゴルツ男爵家の古城から立ち昇る一筋の黒煙。このときから奇怪な事件が相継ぎ、村人たちは脅える。謎の解明に乗り出したテレク伯爵にとって、ゴルツは、ヨーロッパ一の歌姫ラ・スティラを巡る因縁の相手だった。だが、城へ赴いたテレクの前には、五年前に死んだはずのラ・スティラの姿と歌声が…。ヴェルヌ随一の伝奇ロマン。

前半は怪奇小説だけど、後半でそれを科学的に解決してしまうという、あっけない結末だった。ジュール・ヴェルヌは幽霊も精霊も信じていなかったのかもしれない。宿屋のどこからか聞こえる不気味な声がマイクを使った音声だったり、死んだ女性の歌声が聴こえたのだって単なる蓄音機(レコード)だし。・・・つまらん。(爆)
冒険モノとも言えるが、森を3キロ横断しただけじゃ中途半端だし・・・。これはまぁ、トランシルヴァニアという「森のかなたの国」のカルパチア山脈の山の断崖にそびえる城塞という舞台やそこにふさわしい奇怪で変質的な城主と、その付近に住む人たちを描きたかったんだろう、と思った。やっぱりヴェルヌは冒険モノの方がおもしろいと思う〜。