バウンド―纏足

 >>Bound(Donna Jo Napoli)
内容(「BOOK」データベースより)
幼い時に母を亡くし、自分を大切にしてくれる父も亡くしてしまったシンシンは、継母や姉から家の雑用一切を押し付けられて暮らしていました。継母は姉を結婚させようと必死ですが、もし、うまくいかない時は、生活費のためにシンシンを売るつもりです。中国のシンデレラを描いた、不思議と神秘の物語。

表紙が可愛くて読み始めた本。ドナ・ジョー・ナポリによる「シンデレラ」の再話。なかなか面白かった。
シンデレラの設定をリアルに描かれるとキツイかもなぁと思いながら読み始めたのだけど、悲惨な雰囲気は全然なくて、適度に昔話&ファンタジーっぽい雰囲気が漂ってて読みやすかった。翻訳もよかったのかも。

昔の中国を舞台にしていて、纏足という中国の習慣が話の核として描かれている。この話の主人公シンデレラはシンシンという女の子で、父親はすでに亡くなっている。家の家事雑用は全部、小さなシンシンの役目。というのは理由があって、継母は纏足をした女性で自由に立ち働くというわけにはいかないし、シンシンの異母姉ウェイピンはもっと可哀そう。普通、纏足はちいさな子供のころからするものなのに、ウェイピンはかなり大きくなってから始めたので、歩けないし、足が痛くて痛くてしょうがない。てか、そんなやり方したら、足に障害が残るんじゃ?というレベルのヤバい雰囲気。

家の家事雑用、力仕事も全部シンシンの役目というのは可哀そうだけれど、姉ウェイピンや継母も可哀そうなので怒りは湧いてこないなあ(^^; 継母はウェイピンに良い結婚相手を見つけようと必死なのだけど・・・実は一番健康で頭がよくて、未来が開けているのはシンシンだというのが明らか。それに、シンシンは纏足をしていなくてもウェイピンより足が小さくて顔も可愛いいんだそうな。シンシンが王子様と幸せになるのは大変結構だけれど、私はウェイピンが気になるよー! このまま結婚相手が見つからず、歩くにも不自由が残り、ということは働いて一人で生きていくこともできなそうだし・・・ひー!

面白かったので次は『逃れの森の魔女』を読んでみようと思う。こちらはヘンゼルとグレーテルだそうな。