ハイペリオン関連情報(1)

『カンタベリー物語』ジェフリー・チョーサー
「だんな方。さあ、悪くとらずに聴いてくださいまし。だが馬鹿にしちゃいけませんよ。早く申せば、これがその要点でさ。道中を短くする料簡で、カンタベリへの旅の道草に、どなたも話を二つずつなさることにきめましょう、ようござんすか。帰りの途でまた二つずつ、昔起こった事件の話を。で、みなさんのうちでいちばんうまくやってのけられた、つまり、いちばんためになり、またいちばん面白い話をなされた方はどなたでも、カンタベリからのお帰りに、またここで、この場所で、この柱のところに坐られて、ほかのみなさんの費用で夕食のご馳走をおごってもらうということにいたしましょう。(後略)」 −Gemeral prologue(ぷろろぐ、総序の歌、序歌)より、宿屋の主人が、カンタベリ巡礼の同行を申し出る場面から

「どうせ、始めなきゃならないことなら、最初にやる運命のくじも結構じゃ、ほんとうに。さあ出かけましょうぜ、わしの話をきいておくれ」 −Gemeral prologueより、一番目に話すことになった「騎士」が話し始める前置きの言葉から

岩波文庫はもっと訳が古いので、まだマシな『筑摩世界文学大系−チョーサー/ラブレー』から抜粋。「どうせ始めなきゃならないことなら〜」は、『ハイペリオン(上)』にもまったく同じ文句があった。ハイペリオンは、このカンタベリーに似た形の語りで始まって、さらにその先に行くんだろうか。カンタベリーは長くて最後まで読みきれたことがないけど、プロローグだけならまだ私の手にも負えるってわけ。角川文庫の『カンタベリー物語』は思い切りハイライト版で略してあって読みやすかった。探せばまだ家にあるかなー。