夜になるまえに

現代文学を代表するキューバの伝説の作家、レイナルド・アレナスが自殺する直前に語りおろした破天荒な自伝。
1943年キューバの寒村に生まれ、極貧の幼年時代カストロに熱狂したキューバ革命を経て20歳で作家としてデビュー。しかし独裁政権下では、作家、またはゲイだというだけで迫害の対象となり投獄、亡命、そして発病。エイズ闘病生活の果てに、1990年にアレナスは47歳の若さでニューヨークにて大量の鎮痛剤を飲んで自殺した。

自伝では同性愛者だってことがポイントになっていて、溜まり場での出来事など、過去の経験が繰り返し語られる。彼の場合それが大切な原体験で、インスピレーションの源で、そして不幸の元でもあったと。『めくるめく世界』という虚実が入り混じった怪僧(修道士)の冒険物語もざっと読んだけど、どちらも勢いと迫力がとにかくすごい。劇的な人生、波乱に満ちた生涯というけれど、こういう経験をした人にしか書けない文章だと思った。熱い!濃い!!激しすぎ!!ちゃんとした感想がかけるほど精読していないので、日記にメモだけ残しておく。