The Silver Kiss読了

翻訳:銀のキス

重い病気の母、仕事に追われる父、転校していく親友…。16歳のゾーイは孤独だった。そのとき出会った美しい少年サイモンに、ゾーイは惹かれていくが…。

吸血鬼もののヤングアダルト本ということで、タイトルも素敵だったし興味をひかれて読んでみたが、全てが中途半端であっけない小話という印象だった。吸血鬼ものといってもホラーほど毒がなく、ダレン・シャンのようにキャラや小道具がスゴイわけでもなく、アン・ライスのように耽美でもなく、読んでいて何も感情を動かされなかった。サイモンが吸血鬼である必然性さえ無いと感じた。話の重要な部分を実際の場面として描かずに 「こういうことがあった」という語りだけでアッサリ済ませているのもちょっと。
ストーリーは、この美少年のサイモンが吸血鬼で、ゾーイという少女と知り合うところから始まる。そして、ゾーイの葛藤や家庭の事情、サイモンが呪われた身になったいきさつと、敵の存在が明かされる。ゾーイの家庭の事情と「死とは何か」という問いが主なテーマで、それ以外は付録という気がしないでもない。