ヘルメ・ハイネの水晶の塔(上 / 下)

内容(「BOOK」データベースより)
箒と一緒に夏の国からやってきた少女、マーレン・マードルフは、ヘルメ・ハイネに家政婦として雇われ、ミス・ダルシラをはじめ、街の住人たちとも仲よく暮らしていた。しかし、ヘルメ・ハイネの塔で水晶を見つけたのをきっかけに、マーレンの運命は大きく変わる。正体不明のヘルメ・ハイネ、水晶を狙うミス・ダルシラ、そして、あやしげな住人たち。謎が渦巻くなか、水晶に導かれるように、マーレンの不思議な旅が始まる…。

ハウル発、ダークファンタジー経由、神話世界行きという感じ。ジョージ・マクドナルドとかロード・ダンセイニのあたりに連なるらしいので、その辺の世界が好きな人には向いているかも。最初は『魔法使いハウルと火の悪魔』みたいにカラフルな明るい世界だったのが、上巻の途中でガラッとトーンが変わる場所があって、徐々に色がなくなっていき、下巻からはモノトーンの世界になる。その落差がものすごい。世界の全貌が明らかになっていくあたりは濃くてダーク。下巻は重く深く、どんどん精神世界的になって行って、最後は煙に撒かれるような、神話のように分かるような分からないような感じで終わる。一応ハッピーエンド。あんまり好きな話じゃなかった。