The School at the Chalet

'The Chalet School Series'の1巻。未翻訳本
(STORY)両親を亡くして、体の弱い妹のJoeyをかかえて途方にくれたMadge Bettanyは、思い出の土地オーストリア・アルプスのchalet(別荘)に学校を開こうと思い立つ。12歳から14,5歳くらいの生徒が、Joeyも入れて12人くらいいるような小さな学校を作ろう。そう思って手探りで学校を初めたMadgeとJoeyの日常の学校生活と冒険の物語。

(REVIEW)
読んでいて、すごく楽しい本だった。感動するとか、深いメッセージ性があるとか言うことはなくて、軽くて楽しい読み物。安心して読める、ちょっと変わった学園ドラマという感じだった。
この話の主役はMadgeとその妹Joeyのふたり。経済的に困った若い女性Madgeが、自分にできることを考えぬいた末に学校を開くと決めてそれを実行にうつし、だんだんと軌道に乗せて行くという流れが話のひとつの柱。
そして、その庇護下にあるローティーンのJoeyが、姉の作った学校で一緒に学ぶ友達と仲良くなったり、喧嘩したり、また思わぬ冒険をして命の危機にさらせれたりする、というのがもうひとつの柱。Chalet Schoolの生徒は2種類あって、近隣に住んでいて昼間授業を受けにくる人と、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなどの外国から来ていて学校で寮生活をしている人がいる。だから小さな学校なのにやたらと国際色が豊かで、挨拶や簡単な会話程度ならフランス語やドイツ語がよく混じっていた。

全体的に雰囲気が明るくて、軽い感じ。進むにつれて、子どもたちそれぞれの問題が明らかになってくる。中には複雑な家庭の事情を抱えてChalet Schoolに来ることになった生徒がいたり、友達付き合いの下手なちょっと変わった女の子がいたり、女の子同士の嫉妬やいたずらや、いがみ合いがあったり・・・そういう大小の事件が次々起きて、クライマックスでドーンと大きな「事件」があって、結末になる。何が起きても、雰囲気が重苦しくシリアスにならないので読みやすかった。