『人間になりたがった猫』(ロイド・アリグザンダー)

翻訳:The Cat Who Wished to Be a Man
<内容紹介>
猫のライオネルは人間になりたくて、ご主人のステファヌス大学士に魔法で姿を変えてもらいました。外側は人間でも、中身は猫のままのライオネルが町へやって来て起こす騒動の数々。
「おねがいです、ご主人」と、猫がいいました。「わたしを、人間に変えてくださいませんか?」

この作者って、本当は猫が嫌いなんじゃないか?と読みながら思った。動物の視点で人間を描いて人間社会を批判するという話はわりとよくあるけれど、この話はライオネルが「猫=人間社会の仕組みを理解しないバカ者」のように描かれているのが引っ掛かった。猫らしい野生味と純粋さと独立心があったライオネルが、徐々に普通の人間になり、人間社会になじんだ結果、猫に戻れなくなって終わりというのは・・・・ちょっとどうなのかなぁ。それともなにか別のテーマとかがあったのかしら。