Heartbreaker

What lies behind us and what lies before us are tiny matters compared to what lies within us." -Ralph Waldo Emerson

<内容>
神父のトムは、ある日懺悔室の中で自分の妹ローランの殺人予告を聞いてしまう。二人はトムの親友でFBI捜査官のニックやその同僚たちと一緒に、そのローランのストーカーを捕まえようと一計を案じる・・・。変態的なストーカー男に付けねらわれてストレスが目一杯なローランと、24時間体制で護衛に着いたニックとロマンスの行方は・・・。

<感想>
ローラン&ニックの場面と、ローランの兄トムとノア(トムの護衛役)の場面に、不気味なストーカー男の一人称が挟まりながら話が進む。ストーカーに狙われる話だからそういう雰囲気を盛り上げたいのは分かるけれど、不安感を煽る描写がやたらと多いのが読んでいて気持ち悪かった。特にストーカーの一人称が気色悪さ満点。

中間部分はローランがどんどんストレスが溜まってくるし、犯人は捕まらないし、話も全然進まないし、私もイライライライラして楽しむどころじゃなかった。そのあたりは「だから何よーーっ!!」とか叫びたい気分で、とにかく気持ち悪いのでよっぽど止めようかと思ったけど、最後の1/3位でニックとローランのコミュニケーションが上手くいくようになってからがなかなか良かった。Ransomと同じで、やっぱりこの話もヒロインの方から迫る形。ニックは強くてかっこよくて一見完璧なんだけど、実はちょっと問題があって、ローランと居る事によってそれが癒されるというか・・・変わっていけるというか、その辺の描き方が上手いなと思った。
Ransomの主役カップルの時も思ったけど、この本のニックとローランもやっぱり色んな意味でお似合い。清純で天然系のローランと、いつも心配しすぎ、考えすぎるニックとは良いペアになるかも。