Heir of Sea and Fire

<内容>
モルゴンのひとり旅だった1作目と打って変わって、今度は女の子たちが主役。
モルゴンが行方不明になってから1年後。心配しながらアンで待つレーデルルは、モルゴンが死んだこと、Hedの支配権は弟のエリアードに移ったことを知らされる。真相を調べるために、レーデルルはヘルンの後継者ライラ、モルゴンの妹トリスタンと共にモルゴンの道筋を追いかけて旅に出る。今回はレーデルルがアンを出て、旅をして、帰ってくるまでの話。

やっぱりおもしろかった。けど、ストーリーが込み入っていてややこしいのでどこまで分かってるか不安! 普通に読んだだけで表面的な流れはわかったが、これも『九年目の魔法』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)と同じで、表面的なストーリーの裏に、何か隠されている感じがする。「謎」が沢山出てくるのだけど、答えが何かよりもまず、質問の意味がよく分からないし(爆)
 
それでも楽しく最後まで読めたのは表面的な所がとても鮮やかで贅沢だからだ。今回は最初から最後まで女の子たちが大活躍なので、そういう表面的な所がまず楽しかった。レーデルル、ライラ、トリスタンたち3人のやり取りや冒険の数々。戦士のライラや農夫の娘のトリスタンはいうまでもないが、深窓の令嬢かと思われたレーデルルのなんともまぁ逞しいこと!強い強い。沢山のキャラクターそれぞれが動き回っている様子、風景や場面の描写、会話文にも独特の呼吸が流れていてその場の空気が伝わってくるようだった。こういうのはもう完全に好き好きだから、「動きが少ない」「暗い」っていう見方もできるかもしれないけれど、私はこういうのは好きだなぁ。Harpist in the Windを読むのが楽しみ。