Ragweed:TALES FROM DIMWOOD FOREST

話のベースは「田舎のネズミと町のネズミ」。
田舎に家族と住んでいたネズミのラグウィードが、電車に乗って町(といっても、アメリカの西部にありそうな、適当に人がいて寂れた感じの町)へやって来る。未知のものだらけで戸惑うラグウィードは、新しい仲間と初めての体験をしていく・・・夜の町でスケボーを乗り回して大騒ぎしたり、廃屋に集まったネズミたちが仲間4人のバンド演奏に合わせて踊ったり、白いネコにつけ狙われて死にそうになったり・・・。ネズミのラグウィードの冒険譚。

全部で4冊あるらしいTales from Dimwood Forestというシリーズの1冊で、オスネズミのラグウィードがAMPERVILLEという町へ行って、そこでの冒険を描いたもの。Dimwood Forestへ行く(来る?)前の話ということらしい。
Ragweed(ブタクサ)ということで、花コレクション用にタイトルと表紙だけ見て買った本だったが、軽い気持ちでふと読み始めてみたらおもしろくて、一気に読んでしまった。テンポの良いストーリーに巻き込まれてザザーッと読んでしまった。
ラグウィードが町に慣れていく、その一番分かりやすい変化が、彼の言葉使いだというのはおもしろい。始めClutchに何と話し掛けられても反応が鈍くて、言葉使いも態度も丁寧だったラグウィードが、後半は町のネズミと同じ話し方、態度に変わっていくという・・・会話の始めに必ず'Hey, dudes'をつけたり、途中に'you know'や 'do you?' をはさんでブツブツ文章を切るリズムの良い話し方と、遠慮のない、ぶつかっていくような態度に。

ラグウィードの敵として出てくる白いネコも、結局は人間わがままの犠牲者なんだと思うとかわいそうで仕方がなかった。Blinkerが白いのも・・・・の趣味だろうし。それから、この本はイラストがとてもいい!大きく列車のイラストがあって「ネズミが居ない??」と思ってよく見たら端に小さな小さなネズミの影があったり、また襲ってきたネコをネズミの視点で描いたりと、読んでいると話の様子がわかっておもしろかった。