Year of the Griffin


Dark Lord of Derkholmの続編。
翻訳はグリフィンの年
チェズニー氏の巡礼団がなくなってから8年が過ぎて、魔法使い大学(the Wizards' University)は混乱を極めていた。新入生として入学した魔法使いダーク(Derk)の娘でグリフィンのエルダとその同級生たちは、ひどい先生に当たってしまった。退屈な講義、不味すぎる大食堂の食事。さらに、経営困難に陥った大学が保護者に寄付を呼びかける手紙を出したことから、事態はさらに悪化する。エルダたちは、はぐれもののグリフィンで構成される暗殺者集団と戦わなくてはならなくなる・・・。彼らは、大学の1年目を無事に終えることが出来るのか?(アマゾンの内容紹介文を適当に抄訳)

ダークの娘でグリフィンのエルダとその同級生たちが話の中心。家族に黙って家出同然に大学に来たとか、大学にいることがばれたら殺されるとか、主要キャラ全員はそれぞれ家庭の事情があるという設定。一触即発の中、ある人物のせいで(彼らが生徒として大学にいることが)全部バレて、親兄弟その他の関係者が、それなりに平和だった大学に次々とやってくる、という筋。

非常に残念なことに、実はぜんぜん面白くなかった。・・・ということは、つまり面白さが分からなかったということだろう。もともと話がブツブツ切れる本は読みにくいので苦手だけれど、この本はそれが顕著で、ある事件が起きてそれが解決すると、すぐに次の何かが起きるの繰り返し。個々のエピソードは面白くても、話全体の焦点が曖昧で行き当たりばったりだった。前作もそうだったが、英国人らしい皮肉や風刺があちこちにあって、(ファンタジーというよりも)そちらを描く方が目的ではないかと思った。
登場人物は数がとにかく多くて、視点がコロコロ変わるので、感情移入どころか頭を整理するだけでも大変。前作Dark Lordではまだ10代の前半だったダークの子供たちが、8年後に妙齢(笑)の男女になったということで、恋愛沙汰も出てくるが、描き方がアッサリしているので、もの足りないし。(^^;
・・・まぁそういうわけで私はこの本はダメだったのだけれど、今までに読んだDWJの本のどれとも違っていたのは確かだ。それなりに楽しかったからこそちゃんと最後まで読めたのだし。印象が変わることを願って、すっかり忘れた頃に再読してみよう。