Archer's Goon

翻訳:七人の魔法使い
「この街は、7人の魔法使いに支配されている!」
ハワード・サイクスが学校から家に帰ると、台所に「アーチャーのグーン」がいた。グーンは作家をしているハワードの父親クェンティンに「アーチャーとの約束の2000」の期限が過ぎている、それをもらうまでここに居ると言う。巨大な足に極端に小さい顔を持った不恰好な巨人、ガソリンとくさった卵のような匂いの息を撒き散らし、大きなナイフを手に持っているグーン。そいつに台所を占領された、その日からハワードたち家族の災難が始まったのだ・・・・。

なかなか面白かった。
とてもDWJらしい本だと思った。兄弟姉妹がポイントで、それがみんな凄まじいキャラだというノリは『私が幽霊だった時』と似ているし、いつも通りに主役級に強烈な女の子がいて話の牽引役になっている。彼女はハワードの8歳の妹で、なんと通称がAwful(恐ろしい、ひどいの意)というのだけど!そして「いい子」に見えたハワードが実は・・・というのも、ちゃんと「孤児」が出てくるのも、最後の1/3で話が急展開して一気に落とす形の語りも、とてもとてもDWJらしい本。前半は、謎がちっっとも明らかにならないまま災難が押し寄せて来るので、その「災難」が可笑しくて笑えるから全然退屈はしないんだけれど、ちょっとしつこくてストレスを感じた。後半はその続きであれあれ?って間に・・・・。