The Valley of Horses

<内容>
翻訳タイトルは『恋をするエイラ』。死の呪いを受けて、息子デュルクを残して氏族(Clan)を去ったエイラ。「自分の属する人々を探し、つれあいを見つけるのよ!(Find your own people, find your own mate.)」というイザの遺言を胸に、エイラは自分と同じ種族の人間を探して北西へ向かって旅をしていた。
一方、それとちょうど同じ頃、はるか西方の一族、ゼランドニー族の青年ジョンダラーは、弟ソノーランと共に東へ向かって母なる大河の源流を訪ねる旅に出た。河沿いに進むうちに、未知の一族との出会いと別れを繰り返す。

エイラが馬たちの谷(The Valley of Horses)を見つけてからのたった1人のサバイバル生活と、ジョンダラーがエイラの住む谷にたどり着くまでの旅が交互に描かれ、残り1/3の所で2人がようやく出会って、未知との遭遇を経て仲良くなるという筋。
個人的には、前巻よりもずっと面白かった。1巻では、氏族の生活に変な決まりがやたらと沢山あるのが一番ストレスだったので、それがなくなってホッとした。嫌な奴のイジメも無く、濃い古代世界に圧倒されながら一気に読めた。古代人の衣食住、信仰、医学、生理学、人間関係、動物の生態、植物・・・気が遠くなるほど沢山取材して書いてるんだろうと思うと、百科事典状態になるのもしょうがないかも・・・なんて。

ジョンダラーとソノーランが旅の途中で色々な人に出会うのも面白い。彼らクロマニヨン人(現代人)は一族によって風俗習慣が様々だが、そちらは氏族のような気色悪さはなくて、現代に通じる知恵と知識を持った古代人という印象。この本もまたもや先が気になる終わり方なので、やっぱり次巻を読まずにはいられない。