Poppy and Rye:Tales from Dimwood Forest

翻訳≫『ポピーとライ―新たなる旅立ち』
フクロウに殺されてしまった恋人ラグウィードのことを知らせるため、彼の両親と家族が住んでいるという西のThe Brookに向かって旅立ったポピー。だが、一家の巣は水の底に沈もうとしていた…。どうして、こんな危険をおかすのか? ライのため。『ポピー』に続く、恋と冒険の物語。

うーん、これも面白かった。このシリーズは毎回かならずネズミの天敵が出てくる。"Ragweed"では猫、"Poppy"ではフクロウ。今回敵になるのはビーバーで、The Brook(小川)のほとりで平和に暮らしていたネズミの一家が、突然やってきたビーバーが川をせき止めてダムを作ったため、居住権争いになるという筋。ビーバーと沢山のネズミたちと、ポピーの友達ヤマアラシのErethも出てくる。

ビーバーがダムを作るとか、入り口が水に隠れた巣だとか、動物の生態がちゃんと描かれる一方で、動物のキャラクターがどれもありがちな人間に模してある所が面白い。家族みんなのお気に入りの兄ラグウィードの陰に隠れて、少しいじけた所のあるライというキャラクター、臆病でなかなか困難に立ち向かおうとしないネズミの家族たち、「見知らぬ人っていうのは、会ったことのない友達ってことさ」が口癖の、一見フレンドリーなようでいて、本当は厚顔無恥で自分勝手なビーバーのCas。ベタといえばこれほどベタな話はないけど、可愛くて結構楽しめた。