有栖川有栖

山伏地蔵坊の放浪

土曜の夜、スナック『えいぷりる』に常連の顔が並ぶ。紳士服店の若旦那である猫井、禿頭を光らせる藪歯医者の三島、写真館の床川夫妻、レンタルビデオ屋の青野良児、そしてスペシャルゲストの地蔵坊先生。この先生、鈴懸に笈を背負い金剛杖や法螺貝を携え………

マレー鉄道の謎

今だからこそ問う真正面の「本格」! マレー半島を訪れた推理作家・有栖川有栖と臨床犯罪学者・火村英生を待ち受ける「目張り密室」殺人事件!外部へと通じるあらゆる隙間をテープで封印されたトレーラーハウス内の死体。この「完璧な密室」の謎を火村の推理…

絶叫城殺人事件

黒鳥亭、それがすべての始まりだった。壷中庵、月宮殿、雪華楼、紅雨荘…。殺人事件の現場はそれぞれ、独特のアウラを放つ館であった。臨床犯罪学者・火村英生と作家・有栖川有栖のふたりが突きとめた、真相とは。そして、大都市を恐怖で覆い尽くした、猟奇的…

まほろ市の殺人 冬:蜃気楼に手を振る

「真幌はどうかしている」冬になると、真幌の海に蜃気楼(しんきろう)が現われる。満彦は五歳の頃、美しかった母に連れられて初めて兄弟たちとそれを見た。蜃気楼に手を振ったら幻の町に連れて行かれる。だから手を振ってはいけない、と母に言われた。直後、…

暗い宿

廃業が決まった取り壊し直前の民宿、南の島のリゾートホテル、冬の旅館、都心の豪華なシティホテル…。様々な〈宿〉で発生する難解な事件に、臨床犯罪学者・火村英生と推理作家・有栖川有栖が挑む、本格ミステリ作品集。作家アリスと火村の短編を4つ収録した…

暗い宿

有栖川・作家編の「宿」をテーマにした短編集。つまり主に旅先での事件の話なんだが、いっつも火村が一緒なのにシチュエーションがそれぞれ微妙に違ってておもしろい。読まないで取っておこうと思うのに、ついつい読んでしまう。やめよう止めようと思いなが…

朱色の研究

"2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です。" 臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった。…